アルスラーン戦記(4):汗血公路
アルスラーンの名によって発された檄に応じてパルスの各地から王太子軍に参加する武将や貴族とその兵士たちが集まった。
イスファーン、トゥース、ザラーヴァントなどの有能な部下が増える一方で、これらの新参組とペシャワールに至るまでにアルスラーンを助けて側近として仕えていた者たちとの間に不協和音が生じる。
ナルサスは新参組の中から人徳のある老貴族ルーシャンを中書令に推してアルスラーン陣営のまとまりを図った。
ギーヴとナルサスは話し合って、新参組とわざと悶着を起こしてギーヴがアルスラーン陣営を出ていく芝居を打った。ナルサスは自由を好むギーヴを秘密の単独行動の遊兵として野に放ったのである。
一方、ヒルメスはザーブル城を攻略し、大司教ボダンはマルヤムへと逃亡した。
アルスラーンのもとへ向かっていたクバードは、途中ダイラム地方に迷い込み、偶然、妹を探していたアルフリードの兄メルレインと出会い、マルヤムから落ちのびてきたイリーナ姫をルシタニア兵から共に助けることとなった。
イリーナ姫は幼い頃出会ったヒルメスを想い続けており、彼のもとへ行こうとしていた。
メルレインは妹のアルフリードを探すことを一時中断してイリーナ姫をヒルメスのもとへ連れて行くことに協力する。
アルスラーン軍はエクバターナに向けて進軍し、まずチャスーム城を陥とす。次にサン・マヌエル城に近付いたとき、軍事訓練を兼ねた狩猟祭で、偶然同じ狩場で出くわしたルシタニア軍と遭遇戦となり、ナルサスはそのまま勢いに乗ってサン・マヌエル城を攻めることを決める。
この戦いでルシタニアの騎士見習いエトワールはパルス軍の捕虜となる。
年の近いアルスラーンとエトワールは、反発しあいながらもお互いに強い印象を抱く。
サン・マヌエル城にいた女子供を含むルシタニア人の生き残りたちは、アルスラーンに助けられながら共にエクバターナに向かうことになった。
アルスラーンに後れを取っていることを感じたヒルメスは、自分の重要性を高めるため、自分が正当のパルス王位継承者ヒルメスであることをギスカールに打ち明けた。
ヒルメスは魔導士達にそそのかされ、王権の象徴である宝剣ルクナバードを手に入れることを決意する。
パルス王家の事情に関心を持ったギスカールは地下牢でアンドラゴラスに面会する。アンドラゴラスは密かに鎖を腐食させ脱出の機会を窺っており、ギスカールとの面会のチャンスに鎖を引きちぎってギスカールを捕らえ、牢を抜け出した。
アンドラゴラスはギスカールを人質にしてタハミーネと共にエクバターナを脱出する。
その頃、パルスの東北で草原の国トゥラーンが風雲急を告げるのであった。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント